熱中症と水分補給の関係

熱中症とは

ここ数年、夏になると熱中症で救急搬送されるニュースをテレビなどでよく耳にしますが、一方で熱中症についてきちんと理解している人は意外に少ないようです。

環境省の「熱中症環境保健マニュアル」によれば、熱中症とは、高温の環境に長時間さらされていることで、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内の調整機能が破綻するなどして熱中症の症状を以下のように分類しています。

  • 1度:めまい、失神(立ちくらみ)、筋肉痛・筋肉の硬直、大量の発汗(汗を拭いても拭いても汗が出る)
  • 2度:頭痛、気分不快、吐き気、けんたい感、虚脱感
  • 3度:意識障害、けいれん、手足の運動障害および高体温

?度が現場での応急処置で対応できる「軽症」、?度が病院への搬送を必要とする「中等症」、?度が入院して集中治療の必要がある「重症」と、?度から?度に向かうにつれて重症度が高くなります。

このように、熱中症は体内の水分不足が大きく関係しています。

上記のような症状が出るのは水分が不足すると体内を循環する血液やリンパ液、消化液などの体液が不足して、体を構成している細胞や臓器の機能に支障をきたすからです。

冷夏でも熱中症のリスクはある

熱中症による死亡事故のデータを見てみると、1968年、昭和43年から2009年までに7625件発生しており、うち男性が4567人、女性が3058件です。

死亡数の年次推移を確認してみると、記録的猛暑となった1994年や2007年の死亡数が多く、気象条件と熱中症との間に関係があることがわかります。

なお、1995年(平成7年)より、死亡診断書の書き方が変わったため、熱中症による死亡者数が増えています。

ただ、見過ごせないのは記録的な冷夏であった2003年の死亡数が猛暑であった1999年や2000年とほとんど変わらないことで、これは気温自体が高くなくとも気温差が大きいと熱中症を発症しやすいことを裏付けるデータといえます。

高齢の方は特に注意が必要

65歳以上の高齢者が熱中症による死亡総数にしめる割合は、2008年(平成20年)には約72%におよび、増加傾向にあります。

人間は高齢になると、皮膚にある温度を感じる感覚が鈍り暑さを感じにくくなります。

さらに発汗の遅れや発汗量の低下によって体に熱がたまりやすくなるうえに、のどの渇きも感じにくくなります。

「昔はクーラーなんてなかったんだから暑さなんて平気」と言う高齢者が多いのですが、忍耐力の強さというよりも、体が暑さを感じにくくなっているということに注意する必要があります。

天気予報で気温の動きを確認しながら、暑い日には特に高齢の方は意識して水分補給をする必要があります。

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